ひふみ投信・藤野さんの「日本株は、バブルではない」を読んだ”ぞの”です。
かなり高い期待をして購入しましたが、その期待を大きく上回る内容でした。
投資家は必読ですが、すべての人に読んでもらいたいと思っています。
新・三本の矢
藤野さんが言っている「新・三本の矢」とはこのことです。
- 伊藤レポート
- スチュワードシップ・コード
- コーポレートガバナンス・コード
藤野さんは、伊藤レポートが発表されてからというもの、至る所ですばらしさについて語っていました。
僕は、藤野さんから聞いて、早い段階から伊藤レポートを読んでいましたが、これがまた難しい。
しかも、量が多い。伊藤レポートは公開されていますが、なんと102ページもあります。
要旨版もありますが、取っつきにくい言葉がたくさんあって理解するのが大変です。
本書では、近年の日本経済のこと、伊藤レポートことなどを中心に、藤野さんらしくわかりやすく解説してくれています。
2匹のタヌキ
日本には2匹のタヌキがいます。
1匹目は、880兆円という現預金をため込んでいる「国民」というタヌキ。
2匹目は、300兆円という内部留保をため込んでいる「企業」というタヌキ。
この眠ったお金のおかげで、血液循環が悪くなり、日本が貧血気味になっているとのこと。
黒田バズーカ
アベノミクスで最初に打ち出された、日銀総裁の黒田さんによる金融緩和です。
これにより、株高・円安がドンドン進んで現在に至っています。
しかし、この裏では密かに進行している「仕掛け」があります。
それが、「新・三本の矢」のことです。
このターゲットになったのは、「企業」というタヌキ。
おかげで、ようやく日本経済の血流が流れ始めました。
伊藤レポート
伊藤レポートで強く言っていることはROEをあげることです。
株式投資の長期的なパフォーマンスはROEの水準によって決まる
このように藤野さんも言っています。
ROEとは、投資家にはおなじみの指標で、次の式で表されます。
ROE=純利益÷自己資本
ROEが高いほど、効率的に自己資本を利用して利益を上げていることです。
では、どうしたら高いROEを持続することができるのでしょうか。
伊藤レポートでは、過去20年の継続的に株価が上昇している企業を分析して、その特徴を4つにまとめてくれています。
- 顧客への価値提供力
- 適切なポジショニングと事業ポートフォリオのための選択と集中
- 継続的イノベーション
- 環境変化やリスクへの対応
僕が、面白く感じた経営者の特徴は、オーナー経営者の方が長期パフォーマンスがいいということでした。
就任期間が長いこと、報酬体系が業績などに連動していることが挙げられています。
長期的な戦略を立てやすく実践できること、報酬インセンティブが働くためモチベーションがあがること、なにより、感謝への愛着があることが、いいパフォーマンスに繋がっているんですね!
これと逆のことをやっていたのが、日本の政治・・・
安部さんになってから長期政権になりましたが、それまではだれもが知っての通りですね。
伊藤レポートの考え方を政治にも取り入れられないのかと思いました。
さいごに
この記事では、書き切れないことが山のようにあります。
特に、投資家にとって「第5章 今こそ、日本株を買いなさい」は、目から鱗のことがいっぱい書いてあります。
難しく感じていたスチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードについてもわかりやすく解説があります。
本書は、投資家だけでなく、就活・転職を考えている人、経済が苦手と感じている人など、とにかく多くの人に手にとってもらいたいと思える一冊です。