Points of Youのコーチングセッションをしている中で、いつかは出会うであろうと思っていたことと、ついに出会ってしまった。
クライアントの抱えている問題が、自分のセッションでは手助けできる気がしないということだ。
悔しかった。申し訳なかった。どうしようもできなかった。
テーマや課題を探す
セッションをするときは、必ず話したいテーマだとか課題を設定する。
クライアントの抱えている問題の本質はどこかをじっくりと聞く。慎重に、入念に、懸命に、本当の声を探す。
この作業は、僕の得意なことだ。
口から出てきた言葉の裏側に隠れていることを、見抜く力を持っていると思う。「本当は、〜したい」とクライアントの心が思っていることに気が付けるのだ。
「こんな自分にはなりたくない」というテーマや課題
今日も、同じように、クライアントから話題にしたいテーマや課題について聞いていた。
しかし、いつもと違った。
“なりたい自分の姿”がなく、”なりたくない自分の姿”しか浮かばないのだ。
いくら聞いても、「こうなりたくない」「あぁなりたくない」「本当は、なりたくない姿になりたくない」の押し問答。
僕には、これ以上、深く聞くことができなかった。
悔しい、申し訳ない、どうしようもできない
ここで僕は決断した。
「自分のセッションでは、問題解決の手助けができません」と。
自分の敗北を認めるようで悔しかった。力不足は知っていたけど、目の当たりにすると辛い。
さらに、申し訳なさも大きかった。せっかく時間を割いてくれたのに、セッションをすることができなかった。わざわざ会いにきてくれたのに。
自分には、どうすることもできなかった。ただ、話を聞くことしかできなかった。それが、精一杯だった。
すべてはクライアント自身の課題
頭ではわかっているんだ。
すべての課題は、クライアント自身でしか解決できないということを。
僕は、それのお手伝いをすることしかできない。
けど、どこか自惚れていた。自分には、課題を解決する力があると。絶対に、クライアントの役に立つことができると。
だから、悔しいとか、申し訳ない、どうしようもできないという思いが出てくるのだろう。
本当は、クライアントの持つ力を信じきれていなかったのかもしれない。
そう思うセッションだった。