僕は、Points of Youというユニークなカードを使ってコーチングを提供しています。カードを見ながら、どう感じるのかを話しながらコーチングを行います。
日々、どうやったらより良いものになるのかを試行錯誤しているのですが、一番といってもいいくらいに気を付けていることが「形式的な対話にならないようにすること」なのです。
Points of Youでいうと「質問カード」というのが用意されていて、ここに書かれてあることを話したら、誰でもコーチングができるようになっています。
けど、僕は質問カードを見てコーチングをすることはありません。
なぜなら、自分は絶対にこんな話し方をしないからです。
普段とは違った話し方をすることになるので、僕に依頼してくれたクライアントとの間に距離感を感じてしまうのです。
それでは、もうちょっと詳しく説明しますね。
質問カードは使わない
Points of Youが作られた目的の一つに「誰でも簡単にコーチングを楽しめるように」というものがあります。
カードを見ながら対話することで、コーチングに関する特別な知識や経験がなくても、コーチングを行うことができるのです。
それを実現するために、「コーチングゲーム」という種類のカードの中には、「質問カード」が入っています。
このカードに書いてある質問を投げかけると、クライアントが考えるキッカケになります。
質問カードは、初めてコーチングを行おうとしている人の手助けになってくれるのです。
ただ僕の場合は、この質問カードには、ほとんど頼ったことがありません。
ちょっとした違和感を感じるのです。
形式的な対話に対する違和感
質問カードには、様々な切り口の質問が書かれています。
- 写真の中には何が見えますか?
- 写真を見る1分前には何をしていましたか?
- あなたが写真のなかにいるとしたら、どこがいいですか?
などなど。
これらの質問自体は、僕は非常に良くできていると思います。
コーチングをやってみたいけどカードに対する質問を出すのが苦手、という人には大いに役立ってくれるはずです。
ただ、これらの質問カードに対して、どうしても違和感があります。
だって、自分は絶対にこんな話し方をしないので。
質問カードを見ながら会話すると、自分らしさが失われてしまう気がして、とても嫌なのです。
人間らしい対話がしたい
いや、細かい話なのは分かっています。
例えば僕だったら、普段こんな話し方をします。
- 写真の中には何が見えます?
- 写真を見る1分前には何をしてた気がしますか?
- 自分が写真のなかにいるとしたら、どこがいいっすか?
この違い、分かります?
質問に人間味が加わった気がしませんか?普通の対話っぽくなったことないですか?
こうすることで、絶対にクライアントは話しやすくなるはずなのです。僕がクライアントだったら、話しやすさが断然違います。
コーチとクライアントとの、心の距離感が近づいた感じが気持ちのいい対話を生み出してくれるのです。
あとは、コーチ側としても、普段の対話っぽい話し方の方が、やる気が格段に上がります。だって、質問カードにあるような形式的な質問だと、「別に自分が質問しなくたっていいじゃん」と、不貞腐れた気になってしまいます。「ロボットに質問してもらえばいいじゃん」とさえ思うこともあります。
質問カードは保険として使う
ただ、いきなり質問カードを見ないでコーチングをするのは不安に感じる人もいるはず。今までやったことがないことなので、質問が思いつかなかったらどうしようと感じますよね。
そこで僕がやっていることは、質問カードを保険として持っておくことです。
基本的には、普通に対話をしているように、カードを見ながら質問をしています。クライアントが何を考えているかが気になるので、気になったことをそのまま聞いているだけです。
しかしそれでも、ふと聞きたいことがなくなることがあります。また、僕の質問と相性が合わないクライアントだっています。
そんな時にだけ、質問カードをチラッと見て形式的な質問をしています。なので僕にとって質問カードは、保険のような存在です。いざという時の、安心材料です。
こうして、なるべく形式的な対話にならないようにしているのが、僕のコーチングのやり方です。
▼クライアントからたくさん感想が届いていますので、参考にしてみてください。