ちきりんさんと梅原大吾さんの対談本「悩みどころと逃げどころ(小学館新書)」を読んだ”ぞの(@z02n05)”です。
お二人は社会派ブロガーと世界一プロゲーマーという全く接点がなさそうな肩書きを持っています。
本に書かれている対談からは、生きてきた時代が違うように感じるくらい対極の考えを楽しむことが出ます。
社会派ブロガーと世界一プロゲーマー
ちきりんさんのことはずっと前から知っていました。「自分のアタマで考えよう」から始まった著作も全て購入し、読んでいます。ブログもFeedlyに登録して更新のたびに記事を読んでいます。
一方、梅原大吾さんのことは、ちきりんさんがブログで紹介するまで知りませんでした。プロゲーマーという言葉もこの時に初めて聞きました。
そして記事で紹介されている本「勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)」を読んで、梅原大吾さんの戦略的な思考を知りました。
見出しだけでも満足な一冊
お二人の経歴は、対極にあると言っても過言ではありません。
一方は、学生時代から成績優秀で、外資系企業に勤めていた社会派ブロガー。一方は、学校で居眠りばかりしていた世界一プロゲーマー。
そんなお二人が本書の中で、誰もが気になる9つのテーマについて対談されています。こちらが本書の見出しなのですが、あることに気がつきませんか?
- 学歴 「学校って行く意味ある?」ちきりん「大アリですよ!」ウメハラ
- 競争 「寝ていた僕が悪いんです」ウメハラ「いえいえ、悪いのは先生です」ちきりん
- 目的 「何より結果が大事!」ちきりん「ん?結果よりプロセスですよ」ウメハラ
- 評価 「どうやったら人気ができる?」ちきりん「自分のアタマで考えてください」ウメハラ
- 人生 「興味を持つ範囲が広いですね」ウメハラ「ウメハラさんが狭すぎるんです」ちきりん
- 職業 「やりたいことがあるのは幸せ」ちきりん「いや、それが結構つらいんです」ウメハラ
- 挫折 「つらい時は逃げたらいいんです」ちきりん「えっ、逃げたらダメでしょ!?」ウメハラ
- 収入 「お金じゃないのよ」ちきりん「それ、クチで言うのは簡単です」ウメハラ
- 未来 「目指せ、社会派ゲーマー」ちきりん「長生きして待っててください」ウメハラ
激論が繰り広げられているかのごとく、意見が対極にあるのです。
読んでいくと、言っていることの本質を知ることができます。
解けない呪い
本書の中で最も気になったのは、第6章の「職業 「やりたいことがあるのは幸せ」ちきりん「いや、それが結構つらいんです」ウメハラ」です。
僕の考えはちきりんさんと同じように、やりたいことがある人は幸せだと思っていました。しかし、梅原さんの考えは違ったのです。
小さい頃からボクサーを目指している男の子の事例が挙げられています。ボクシングという危険で職業として成り立ちにくいことを本気で好きになってしまったら、「解けない呪い」をかけられたみたいなものだというのです。
好きだから、やめられない。だけど、成果は上がらない。そのため苦しい人生になってしまうことが、小さい頃に決まってしまうことがあると言います。
確かにこのことを聞いて、ハッとさせられました。「もし、やりたいことが世の中にとって価値のないことだったらどうしよう」と思ってしまったのです。
さいごに
本書を読んでいると、ボクサーのような自問自答を迫られることに何度も出くわします。
お二人とも頭が切れて独自の考えを持っているので、読んでいると考えさせられることばかりでした。
あなたも本書を読んで、自問自答を楽しんでみてはいかがでしょうか?